iPhoneアプリ開発の試行錯誤

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2年間のiPhoneアプリ開発の顛末、儲かったのか?の記事の続きです。

筆者は週末にプログラム開発をしています。
平日は普通に会社に行ってますので、あまりアプリ開発にかける時間がありません。
2年間でAppStoreに公開できたアプリは8本。

節電アプリのeco money以外はゲームアプリです。
なぜゲームばかりかというとひとつは英語の壁です。英語は苦手なので。
せっかく作った作品は世界中に向けて公開したいですが、英語版をちゃんと作る自信はありません。
ゲームならたいした説明もいらずに遊べるだろうから、英語力はそれほど必要ないだろう、という理由です。
あとは、やっぱりゲームを作るのは楽しいので。

さらに、8本のうち4本がTaiatariシリーズです。
元祖Taiatariのあとに、無料版をだしてみたり(いまは公開停止)、デザインをかえたバージョンとか、無料だけどアプリ内課金で機能追加できるのとかいろいろ実験したらシリーズが4本に増えちゃいました。

8本のアプリを作って思ったのは、面白いのが売れるとは限らないということです。

もちろん面白いというのは主観なので、人によって面白いアプリは違うでしょうが、7本のゲームではTaiatariBattleが一番傑作だと思うんですよねぇ。ダウンロードされた方は長いこと遊んでくれているようですし。
ですが、ダウンロードが好調なのはお魚計算です。

TaiatariBattle App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

お魚計算 App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

理由は簡単で、TaiatariBattleをユーザーがAppStoreで見つけることができないから、と思っています。

AppStoreで上位にランキングされているアプリは別として、他の大多数のアプリはユーザーの目に触れる機会が無く埋もれてしまいます。
ユーザーがアプリを探すには、目的がはっきりしていれば何らかのキーワード検索などでアプリを探してくれるでしょう。

実用系のアプリなら何らかのキーワードで検索できるでしょうが、ゲームの場合の目的って?
具体的に欲しいアプリが分かっていればアプリ名でも検索するでしょうが、無名アプリではそれは期待できませんよね。
実際、Taiatariを知らない人が、AppStoreでTaiatariを見つけられるとは思えません。

そうすると、Taiatariのようなアプリはユーザーに見つけてもらうのにかなりの高いハードルがあります。

その点、お魚計算は計算練習ゲームなので、計算練習したいという目的を持った人が、キーワードで検索して探すことができるんですね。
おそらく「計算」とか「暗算」とかのキーワードで検索しているんじゃないかと思います。

と、考察しているのですが、どうでしょうか。
目的がはっきりしているアプリでないと、ダウンロードしてもらうのは難しいと実感してます。
まず、ダウンロードしてもらう工夫が必要で、その後に初めて面白いかどう話です。

で、実験をかねて、最近もうひとつの計算練習ゲームフリック!計算をリリースしたんですが、どうでしょう。

フリック!計算 App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

フリック!計算はお魚計算と比べると、出だしは良かった気がします。
新着から消えて、リリースのご褒美期間が過ぎ、ダウンロード数が落ち着くと、リリースから日が経っているお魚計算のほうがダウンロードされているという日も結構あります。
可愛い系のアプリの方がダウンロードされやすいのかもしれません。

ともかく、この計算シリーズで様子を見て、そこそこダウンロード数が伸びるようだった、次はもっと目的が明確なアプリを作って、他のアプリに誘導できるような工夫をしようかと。

で、その後に本命を出しましょうかね。
先が長い。。

いまのところ、細々とですがお魚計算がコンスタントにダウンロードされています。
お魚計算は無料でたし算ゲームが遊べて、アプリ内課金で他の計算もできるようになる仕組みですが、ダウンロード数の割にはアプリ内課金を利用する人が多い気がします。
TaiatariBattleのアプリ内課金利用率よりは高いと思います。
これも、計算ゲームという目的を持ってダウンロードしている人が多いためでしょう。

TaiatariBattleの方は、日が経つにつれダウンロードは減っていましたが、お魚計算のリリース後、若干ながら増えました。
これは、双方のアプリに自社広告を表示しているので、お魚計算に引っ張られてTaiatariBattleをダウンロードする人が多少なりともあるのだろうと思います。

最近ダウンロードしたアプリは、無料にしている代わりに広告を表示しています。
筆者はAppBank NetworkやiAd、AdMobを使っています。

広告を切り替えて表示するために、AdwhirlやAdMobのメディエーションを使っています。
この辺の実装についてはそのうち、別の記事で書いておこうと思います。

で、無料アプリで広告を表示した場合の収益と有料アプリの収益どちらがいいのか?
どうも後者のようです。

とたえば、AppStoreの有料アプリの最低価格は85円です。
じゃあ、無料アプリで 一人の利用者が85円の広告収益をもたらしてくれるかというと、さすがにそれは難しいです。
でも、有料アプリと無料アプリではダウンロードされる数が全く違います。
無料の方が数多くダウンロードされることを考慮すると、無料でたくさんダウンロードしてもらって、ちょっとずつ広告収益をもらうほうが、トータルでは収益が上がりそうです。
ありがたいことに、一度ダウンロードしてもらえた TaiatariBattleやお魚計算は継続的に使ってもらっている利用者が多いようで、そのあたりも購入時だけのアプリの料金での収入よりも、広告収入というやり方にあっているように思います。

ただこれは、TaiatariBattleやお魚計算のはなしです。
アプリのタイプによってあったやり方を考える必要があります。
ゲームは広告があっていると思います。
一度起動すると比較的長時間使われることが予想されるからです。
長い時間使ってもらえれば、広告を見てもらえる可能性が高まります。

一方で実用系のアプリには、便利で手放せないツールの反面、使うのは時々で、しかも短時間というアプリも多くあります。
例えば乗換案内や電卓などがそうですね。
そういったアプリだと広告で収益は難しいかもしれませんが、便利で手放せないとなれば、有料でもダウンロードしてくれるでしょう。

筆者もそのうち、そんな便利で手放せない実用系アプリを作ろうと思っています。
ただね、作るのはゲームの方が楽しいんで、ついゲームに走っちゃうんですよね。
ということで、まずはダウンロードされやすそうなゲームアプリを考えているところです。

数年前と違い、アプリ市場はすっかり企業が主役になっています。
個人がアプリの規模や質でコレに対抗するのはほぼ不可能です。
基本的には、そういう企業とはあまりぶつからない、お手軽ミニゲーム的なところを作っていこうというのは今まで通りです。
たくさんのゲーム用の画像や音楽、ステージを用意するということはできないので、少ない素材をうまく使っていく感じですね。
TaiatariBattleでは、キャラクターは単純で少ないですが、ステージがあがるにつれて設定などをうまく調整してゲームを長く遊んでもらえるように工夫しているつもりです。

お魚計算やフリック!計算は出題の工夫などで、徐々に難易度を上げていくような工夫をしています。

で、最後に結局儲かったのか、というと、儲かりませんね。
ただアプリが増えるにつれ、相乗効果のようなものが多少あるのは感じています。
徐々に広告収入が増えています。
あまりひとつのアプリに時間をかけて開発するよりも、どんどんアプリのアイディアを実現させて、リリースしていくのが良いのかもしれません。

胸を張って、儲かってますと言える個人開発者ってどれだけいるんでしょうね?
ただ、個人の趣味の場合、儲からなくてもどうということはないですが、企業はどうなんでしょう。
企業の場合、売り上げは個人のアプリとは比較にならないでしょうが、儲かっているかというとどうなんでしょうね。企業は企業で、アプリを作るのにお金がかなりかけているでしょうから、儲かっているかというと疑問ですね。

iPhoneのアプリ市場が縮小する前に、ヒット作を出したいなぁ。