2年間のiPhoneアプリ開発の顛末、儲かったのか?

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ふと気づくと、筆者がiPhoneアプリを作り始めて早くも2年経過。

当時と比べるとiPhoneアプリ市場を取り巻く状況はずいぶん変わってきました。
2年前の当時が個人のアプリ開発者が一攫千金を夢見ることができた、ギリギリのときでしたね。
企業が様子見の体制から本格的に参入し始めようという頃だったように思います。

筆者が2年前に始めて公開したアプリはTaiatari
その後、全部で8つのアプリを公開しましたが、いろいろありました。
果たして、儲かったのか、iPhoneアプリは稼げたのかというところを書いてみようと思います。

Taiatari App
カテゴリ: ゲーム
価格: ¥170

 当時、主流だったのは、機能限定の無料版とフル機能の有料版の2つを公開するモデルでした。
とりあえず無料版を試してもらって、気に入ったら有料版を買ってねっていうビジネスモデルですね。
で、有料版は時々セールをすると。

このモデルは特にゲームでは無料版で満足してしまう人が多かったりして、うまく有料版に誘導できるアプリとそうでないアプリがあったようです。いま思えば、ゲームにはあまり向いていなかったかもしれません。

それと、当時はアプリをリリース後、アプリのレビュー欄に利用者からいろいろ要望があげられて、作者もそれに反応したりして、要望に迅速に対応してくれるアプリや、マメにアップデートしてちょっとずつ小出しに機能を追加していくアプリが「いいアプリ」という風潮がありましたね。
あと、アプリ内に広告を表示すると叩かれるという傾向もあったなぁ。

今は公開を停止しましたが、Taiatariも機能を限定した無料版を用意していました。
有料版ではアップデートを繰り返して機能を追加してたりしてました。

で、Taiatariですが出だしは順調かに思えましたが、微妙にタイミングを外したような感じのアプリになりました。

初アプリだったのでドキドキしながらAppleの審査を待ち、なんとか一発で審査を通し2011年1月に公開。
初審査通過はすごく喜んだのを覚えてます。
初めてだったので勝手も分からず全くプロモーションなどはすることなくひっそりと公開。
公開にあわせ、このサイトをオープンしました。
公開できれば世界中からダウンロードされると思いきや、やはりそんな甘いものではなく。。
公開直後は多少まとまったダウンロードがあったものの、あとはポツポツ。

 

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ところが公開後すぐ、1月末にAppleから突然オファーがありました
Taiatariをフューチャーしたいと。AppStoreのトップバナーで紹介するので、画像素材を提供してくれというお話でした。
アプリのロゴなどの素材を提供してくれれば、あとはAppleのデザイナが加工してバナーを作るので提供してくれと。
うれしいお話でしたが、PhotoShopかillustratorの形式のファイルが欲しいと言われ、どちらも持っていない個人開発者の筆者としては、画像を提供できず。。
で、結局トップバナーではなく、その下の注目作品のコーナーにアイコンが暫く掲載されるにとどまりました。
今思えば、illustratorの体験版でもダウンロードしてなんとかすれば良かったかなぁ。
まぁ、それでもAppStoreの注目作品に載ってる間はそこそこのダウンロードがありました。
で、ここでも反省するのは、このタイミングで値下げなり無料セールなりやるべきだったなぁと。

で、それまでと思いきや、また、Appleから連絡が。
今度は、Taiatariを店頭で展示するiPhoneやiPod touchにインストールするデモアプリに採用したいので提供してほしいとのこと。
もちろん了承しました。
ただ、これを一週間で用意してほしいと。
用意というのは、ゲームの起動画面に店頭デモ用のバージョンであることを表示するとか、GameCenterなど個人情報を入力する可能性がある機能を排除してほしいとか 、要はデモ用にカスタマイズしてほしいとのこと。

そんなこんなで、あたふたしつつ、なんとかデモバージョンを提供できました。
数ヶ月後にはあちこちの家電量販店などのデモ機でTaiatariがインストールされているのを見ることができるようになり、店頭で見つけると、人目につくようにTaiatariを起動しておいたのは筆者です。
言うまでもないことです、ハイ。。

ただこれも、微妙にタイミングが悪かったというか。
iPhone4が爆発的に売れ、欲しい人には一通り行き渡り、次機種がそろそろ発売されるのではないかとささやかれている時期、つまりiPhoneを購入検討する人があまりいない、展示コーナーが閑散としている時期のデモ機採用となりました。ウーン。。
もう少し早ければiPhone4、 おそければiPhone4Sの購入を考えている人に触ってもらえたはずなのに。
ちょうどiPhone4S発売のときにデモアプリ終了というタイミングの悪さ。
Taiatariは、なんか売れそうで、売れないアプリとなりました。
でも、Taiatariにしろ、その後継のTaiatariBattleにしろGameCenterの様子を見ていると、ダウンロードしてくれた方のなかには、気に入って長く遊んでくれている方が多かったようなので、作者としては嬉しいです。

と、だいぶ脱線しましたが、その頃といまはだいぶ状況が変わってきました。
まず、アプリ市場の主役は個人開発者から企業に完全にかわってきました。
個人の開発者がiPhoneという新しいおもちゃで、奇抜なあるいは独創的なアプリを次々に発表する段階は終わった感ががあります。
利用者も既にiPhoneやスマホに慣れて物珍しいものではなくなり、企業がお金を使って開発したアプリは、とても個人では作れないようなものです。
もちろん、個人開発者が作る奇抜で独創的なアプリはたくさんありますが、いまの巨大化した市場で存在感を出すのは 、かなり難しい状況になってきました。
かなり敷居が高くなっています。

個人開発者が作ったアプリをプロモーションする手段は限られているので、せいぜいAppBankなどのレビューサイトに掲載してもらうなど、人任せの方法になってしまいます。

AppBankなんかで紹介してもらえれば宣伝になるんでしょうが、以前のように開発者や一般の利用者からの寄稿は受け付けてもらえなくなってしまいましたし、レビューを依頼するにしても、きっと大量にレビュー依頼があるだろうから、なかなか取り上げてもらうのは難しそうです。
一応、AppBankにもレビュー依頼は出してるんですがね。

また、アプリ内課金やiAdなどを利用したアプリ内広告という仕組みが確立されたことで、アプリ内に広告が出ることへの利用者の抵抗は減ってきたように思いますし、アプリ本体は無料で提供してアプリ内課金を使うという方法も一般的になってきました。

これに伴い、Taiatariも以前の無料版にかわり、無料で提供した後にアプリ内課金でフルバージョンにできる方式にしたTaiatariBattleを用意しました。

TaiatariBattle App
カテゴリ: ゲーム
価格: 無料

と、いろいろ試行錯誤しているわけですが、ちょっと長くなったので、続きはまた次回にします。

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